NPO法人神奈川県日本ユーラシア協会 横浜ロシア語センター

ロシア語教授法研究会 第7回ミニシンポジウム

新しい効果的な教え方を求めて

日本人には難しいロシア語の発音をいかに効率的に教えるか、ロシア語を教えている人なら誰もがいつも考えていることでしょう。
この度のミニシンポジウムでは、竪山洋子先生に、発音の矯正の難しさと学習初期における発音教授法の大切さを踏まえて具体的な問題提起をしていただき、 徳永晴美先生に、この私たち共通の悩みをどう解決できるか、蓄積された知見と経験をもとに講義していただきます。
ロシア語を教えている方ならどなたでも参加できます。この貴重な機会をお見逃しなく!!

第1部 問題提起と講義
16:30-16:50竪山洋子先生(ロシア語通訳・翻訳者、横浜ロシア語センター講師)
問題提起「受講者の発音の問題点に関する報告」
16:50-17:30徳永晴美先生(上智大学元教授)
講義「発音さらに音声学の基礎知識を実践において応用するには」(仮題)
~発音лその他の子音、および母音の劣化の濃淡などについて~
第2部 質疑応答と懇親会
17:40-18:10今回のテーマに関するQ&A
18:20-19:00懇親会(茶菓子付)

日時2019年1月26日(土)16:00開場、19:00終了予定
会場横浜平和と労働会館 4階会議室 ※会館3階から変更になりました。
受講料一般3,000円、会員1,500円
対象者ロシア語教授に携わっている方・教えたいと考えている方
定員40名(当センター講師優先)
お申し込み締切1月24日(木)

1. お名前、電話番号またはEメールアドレス、1月26日ミニシンポジウム参加の旨を横浜ロシア語センター事務局にご連絡ください。
こちらのメールフォームに必要事項を入力・送信してください。
またはお問い合わせページ掲載の電話・FAX番号へご連絡ください。


2. 当日、会場の受付で料金をご納入ください。

 1月26日(土)、横浜平和と労働会館4階会議室でロシア語教授法研究会の第7回ミニシンポジウムが開催されました。

 今回は授業数の多い土曜日の夕方16:30から19:00までの開催時間でしたので、横浜ロシア語センターの講師が多く出席できました。その他、会員・一般の方を含めた21名の参加者は、問題提起と講義を聞いた後、休み時間も惜しんで、より効果的なロシア語調音法や訓練法などについて活発に意見交換しました。

 竪山洋子先生からの問題提起は、上級者にもみられる発音の癖や母音の弱化の無視など、その多くが日本人ロシア語学習者に共通する問題点でした。問題提起を受けて、徳永晴美先生が、最新のロシア語音声学に依拠した具体的な調音法について講義をして下さいました。

 徳永先生の講義には、外国人訛りは個性として許される部分もあるとの大前提を踏まえた上で、ЛとРを区別して発音できなければ全く違った意味になること、母音の弱化はロシア語発音の妙味の一つであること、日本語と違って母音が伴わない連続子音には注意が必要なこと、Ж, Ш, とЩの調音の違いなど、その他にも多くの有益な情報が盛り込まれていました。また、教える側は最初から正しい「調音分析に則った模倣」の発音指導をすべきであること、しかし、発音を重視するあまり受講者のやる気を削いではならないことなど、講師としての気配りの大切さも教示されました。

 ロシア語講師達は効果的に発音指導をするために多くの有益な知識を得ることができ、受講者の方達も具体的な発音法を学べた有益なミニシンポジウムになりました。

(野口)


 1月26日にロシア語教授法勉強会のシンポジウムがあり、ロシア人と日本人のロシア語教師とロシア語の生徒が集まりました。
 テーマは発音教授法で、竪山先生が問題提起し、徳永先生が回答するという形式で行われました。
 母音の弱化、й、軟音、л、р、ш、щなど日本人の発音しづらい音について細かく説明していただきました。
 その後、質疑応答と懇親会があり、お菓子を食べながら、質問が飛び交い、大いに盛り上がりました。
 私もшとщの発音が難しいと徳永先生に質問したところ、丁寧に発音の仕方を教えてくださいました。日々練習したいと思います。

(井村)


 【一口メモ】
 日本語母語話者にとって最も発音が難しい単語の一つは≪скруплёзно≫
 скに母音を入れない、уははっきり発音する、плёも難しい。лとрを区別し、зをдзにせず、語末のоも弱化させる等、全て要注意!

神奈川県日本ユーラシア協会機関紙
「日本とユーラシア」2019年2月号
より