2020年8月2日・3日、『外国語としてのロシア語教授法』専門家のマクシモヴァ・マリア先生による
「日本人講師のための教授法セミナー」をオンラインで開催する運びになりました。
万障お繰り合わせの上、ぜひご出席ください。
開講日 | 2020年8月2日(日)、3日(月) |
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時間 | 14:00~15:30(90分) |
回数 | 全2回 |
場所 | オンライン上(教室は使用せず、Zoomアプリを使用。PC、タブレット、スマホなどからの参加) |
対象者 | 現在ロシア語を教えている、またはこれから教えようとしている日本語母語話者の方 |
定員 | 15名(最少開講人数 3名) |
講師 | マクシモヴァ・マリア(当協会会員) |
受講料 | 一般4,000円、会員3,000円(特別価格/全2回分) |
申込締切 | 2020年7月29日(水) |
第1回 | 8月2日(日) | 14:00~15:00 | 1. ロシア語コミュニカティブ教授法概要(日本人講師の事前質問に基づいて) |
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15:00~15:30 | 2. コミュニカティブ教授法の模擬授業 | ||
第2回 | 8月3日(月) | 14:00~15:30 | 1. Q&A ● 講義に含まれなかった質問(個別の問題含む) ● 講義と模擬授業の後で生じた質問の討議 2. 討論 |
お申し込みの流れは次の通りです。
1. Eメールにて参加をお申し込みください。
こちらのメールフォームに必要事項を入力・送信してください。
※ご用件欄で「受講お申し込み」を、希望クラス欄で「8/2,3教授法セミナー」を選択してください。
お申し込み締め切りは7月29日(水)ですが、教授法に関する日頃の疑問やご質問等があれば、7月22日(水)までに備考欄に記入してご提出をお願いします。
2. 開講決定後、ご案内に従って受講料をご納入ください。
料金のページ記載の指定口座のいずれかへお振り込みください。
3. 事務局より前日までに「Zoomミーティングの招待状」をメールにて送信します。
4. 当日までに手元の機器にZoomアプリをダウンロードしておき、開始時刻にZoomにアクセスしてください。
PCの場合は、招待状メールに記載されているURLをクリックするだけでもZoomが起動されます。
スマホとタブレットの場合は、アプリを起動させ「ミーティングに参加」を選択してID等必要事項を入力します。
8月2,3日に初めてのオンラインセミナーを開催しました。Zoomミーティングルームを使ったマリア・マクシモヴァ先生の「日本人ロシア語講師のための教授法セミナー」です。
1日目の参加者は模擬授業に参加された4名と北海道からの参加者を含めて14名でした。マリア先生は1日目にソ連時代とその後の外国人に対するロシア語教授法の発展過程、日本における文法中心翻訳教授法とコミュニカティブ・アプローチ教授法の違い、またこの教授法に沿って作成されている「ロシアの道」の教え方について語られました。外国語の教授では、講師が講義するのではなく受講生が自ら習得して行く教え方をしなければならないと強調され、聴取力アップの模擬レッスンをして下さいました。
2日目は8名の参加者がロシア語教授のさまざまな側面について積極的に質問をし、議論をし、30分以上も予定時間をオーバーしてしまいました。最後にこのようなセミナーをこれからも開催して欲しいとの希望が参加者から述べられました。この初めての経験で準備期間と広告拡散方法が今後の課題であることが分かると共に今後も続けられる可能性も実感しました。参加された織田先生と竪山先生が感想を寄せて下さいましたので、どうぞお読みください。
(野口 福美)
マリア先生のお話で心に残ったことは、コミュニカティブ・メソッドで大事なのは何もロシア語だけを使って授業することではなく、生徒さんの進度に合わせてできるだけロシア語を使い、生徒さんがロシア語で反応できるようにすることで、これは今も実践し努力していることなので、安心しました。
また、日本語であれ、ロシア語であれ、教科書に出てくる文法などを、初めから教師が説明するのではなく、何が書いてあるのか生徒さん自身にまず予想し考えてもらうようにすること。自分が考えたことが正しいということが分かると、それは喜びにもなるし、意欲や興味も湧いて来る…ということはなるほどと思いました。自分はちょっと説明しすぎているかも知れないと反省しました。
日本人教師、ロシア人教師に関わらず、今回のように教師が学べる場があれば有難いと思いました。
(織田 桂子)
マリア先生の長い講師経験に基づく教授法に関する講義を聴かせていただきました。通学頻度が高くない受講者たちがいかに効率よくロシア語を身につけるかを考えることは、私にとって課題です。
先生は日本語を介さない、訳さない、文法を説明しない授業を提唱されました。すべてロシア語で行い、生徒がロシア語で考える90分をつくることで早期に頭の中にロシア語回路をつくるべきだということなのだと思います。
授業のデモンストレーションも行われましたが、生徒の習熟度に合わせて平易なロシア語で、生徒に理解を促すマリア先生の講師としての腕は大変見事であると思いました。
非母語話者である私には、この匙加減が難しいのではないかと思います。つまり、初心者には初心者がわかるロシア語で、中級者には中級者向けのロシア語で、上級者には手加減せずにといった「合わせる技術」を持つには、講師の熟練の技とたゆまぬ研究が必要であると思いました。
日本人講師に習うべきは文法というステレオタイプや、また、非母語話者として、文法から語学に入った語学学習者として、文法にどうしても注力してしまうことが、コミュニカティブな授業を完全に実現できないネックになるということも気づきになりました。
モチベーションがそれぞれ違う受講者が集まって学ぶ横浜ロシア語センターにとっては、フレキシブルな対処をする講師の腕こそが教科書だろうと思います。マリア先生の提唱からも取り入れることは取り入れ、自分自身が動く教科書になれるように精進しようと思います。多くの学びと刺激をくださったマリア先生、オーガナイズをしてくださった野口センター長に感謝します。
(竪山 洋子)